玄葉光一郎よりのメッセージ


平成18年1月30日


                  「懐の深い日本に」               

 芥川賞作家玄侑宗久さんによると、正月とは昨年一年間の歪みを修正する月だから正月というそうだ。日本の進路も修正が必要だ。

 日本はもっと懐の深い社会・国家を目指すべきである。

 懐の深い社会とは、深みと味わいのある豊かさを実感できる社会であり、脆弱な単層社会ではなく重層的な奥の深い社会である。

 「コク」と「キレ」の両立する社会といってもよいかもしれない。アサヒのスーパードライがかつて「コクがあるのにキレがある」というキャッチコピーで大ヒットを飛ばしたが、今の日本は「キレ」だけを追求しているようにみえる。耐震構造偽造問題、ライブドア騒動、米国産牛肉問題はそれと密接不可分である。

 懐が深い社会を築くためには次の点が重要になる。

@    地方や農漁村の豊かさ。

A    多様で質の高い厚みのある中間層の存在。

B    機会均等のための階層間移動の確保。

C    長期的視野に立った教育・R&D投資。

平成18年度予算案、税制改正、三位一体改革の迷走などを見る限り、上記の点を重視しているとは言い難い。喫緊の課題である少子化対策も東京一極集中を放置・加速させる中ではどんな対応策も対症療法でしかない。国土構造や生き方の根本的再考が必要である。

 「新しい公共」の概念を作り出すことも大切だ。かつては「滅私奉公」といわれたが、これからは「活私豊公」(かっしほうこう)である。個々人の得意分野を活用して公を豊かにする社会。できるだけ少ない税金で、生き甲斐のある、自己価値を実現しやすい、満足度の高い社会を創り上げることこそ政治家の腕の見せ所である。

 外交にももっと「懐の深さ」が必要である。この場合の懐の深さとは、包容力としたたかな戦略を併せ持つ奥行きのある外交のことである。このことについてはまた別途記したいと思う。

 民主党は、今年「脱皮」しなければならない。ひとまわりもふたまわりも大きく成長しなければならない。そのために、民主党の目指すべき社会像及び外交・安保政策について徹底した党内議論をおこなう。従来にも増して質の高い地力のある国政候補予定者の選定作業や来年の統一選での地方議員倍増計画を進行させつつ、「脱皮」するために今までやや避けてきた感がある基本政策の統一のために国民・党員・サポーター・各級議員との「対話」を真に深める年にしたいと思う。