ここでは、予算委員会におけるげんば光一郎の質疑をご紹介いたします。


2004年2月10日 第159回通常国会 衆議院予算委員会 第7号

2004年3月 5日 第159回通常国会 衆議院予算委員会 第20号



第159回通常国会 衆議院 予算委員会 第7号 2004年2月10日


○笹川委員長 この際、玄葉光一郎君から関連質疑の申し出があります。岡田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。玄葉光一郎君。

○玄葉委員 民主党の玄葉光一郎です。
 先ほど来から総理が何度もおっしゃっている、国から地方へ、あるいは官から民へ、こういったいわば改革スローガンといいますか、小泉政権のスローガンに直結をするテーマを議論させていただきたいというふうに思っております。
 特に三位一体改革は、結果として財務省のためだけの分権になってしまっているのではないか、あるいは単に地方切り捨てに終わってしまっているのではないか。我々は地方発展のための分権改革というものを考えているということを含めて、議論をさせていただきたいというふうに思っております。
 ちなみに、知事会の知事会長さんは、今回の三位一体改革の姿を見て、三位ばらばらの改悪だ、こういうことをおっしゃっているわけでございます。それも含めて後ほど議論をさせていただきたいと思いますけれども、まず、地域経済を見てみたいというふうに思うんです。
 景気全体を見ると、私はまゆつばものだと思っておりますけれども、緩やかな回復過程だということを政府は言っているわけであります。まゆつばだというのは、先ほど午前中にも議論がありましたけれども、どうも輸出に頼っている、しかも中国に頼っている経済になっていますね、こういうこともございます。
 同時に、我々、特に注目をしなきゃいけないのは地域経済ではないかというふうに思っています。地域の現場を歩くと、冷え切っています。国会のために東京に参りますと、ビルが林立をして、もしかしたら景気がいいんじゃないか、こういう錯覚を覚えるときもあるんですけれども、どうも、それぞれの、全国各地の現場はそうではない。
 まず、この地域の経済の実態をどういうふうにとらえておられるか、総理大臣にお伺いいたします。

○小泉内閣総理大臣 大企業におきましては収支の改善、業績向上が随所に出てまいりましたけれども、まだ地域まで及んでいないということは事実だと思います。この業績なり収支の改善が中小企業に及び、ひいては地域が活性化していくことにつなげていきたい。
 そういう点において、地域の再生、都市再生、あるいは特区構想、あるいは一地域一観光等総合的に支援していく体制を整えて、地方にできることは地方にという、意欲が出るような改革を実現していきたいと思っております。

○玄葉委員 地域に景気がよくなっているという、そういうマクロ経済全体の状況は及んでいない、こういう認識だということでありますね。地域はどうもよくない、まずこの現状認識を持っていただきたいというふうに思っています。
 もう一つは、どうも、先ほど申し上げたこととも絡みますけれども、東京もしくは首都圏とその他の地方で格差が広がってきているのではないか、こういう認識を私は持っているわけでありますけれども、その点はいかがですか。

○小泉内閣総理大臣 東京とやはり地方とは違っていると思います。東京におきましてはかなり活性化の兆候が見えておりますが、これがまだ地方に及んでいないという点は、私は大方の見方ではないかなと思っております。

○玄葉委員 つくづく最近感じるのは、先ほども議論がありましたけれども、結局、今までは、東京がよくなると半年後ぐらいに地方がよくなる、こういういわば経済波及経路があったと思うんですけれども、御案内のとおり、今、大手の製造業がよくなっても、それらの工場は海外にある、パーツはまた海外でつくる、公共事業もよくないということで、今までの波及経路がいわば寸断されている、こういう状況じゃないかと思います。
 これを見ていただきたいんですけれども、一目瞭然なんですね。過去五年間の就業者数の変化率を見てみると、首都圏はほとんど就業者数が減っていない。だけれども、その他の地方はみんな減っている。群馬県は五年間で八%も減っている、就業者数が。和歌山県に至っては一一%も減っている。一目瞭然で、首都圏あるいは東京圏とその他の地方、こういう構図ができているんですね。まず、このことの現状を踏まえていただきたいんです。総理、いかがですか。

○小泉内閣総理大臣 地域において、まだ雇用情勢におきましても、経済情勢においても厳しいものがあるということは、そのとおりだと思っております。

○玄葉委員 私は、先ほど岡田幹事長から、日本の競争力の一定の回復というのは小泉政権の成果ではない、こういう議論がありましたけれども、大事なことは、競争力の再生強化と地域における仕事づくり、地場での仕事をつくる、あるいは持続可能な生活圏をそれぞれの地域でつくる、この両立ができるかできないかだと思うんですね。今できていないことが、小泉政権のあるいは小泉構造改革の最大の問題の一つじゃないかというふうに思っています。
 今、総理が御自身でおっしゃったように、地方は悪い、どうも東京圏とその他の地方で格差も広がっている、そういう認識を踏まえて、では、政府としてはどうするんですかということをお伺いしたい。

○中川国務大臣 今、総理からも、それから玄葉委員からも御指摘ありましたように、業種それから中小企業、地域によって、依然として厳しい状況のところがあることは私は事実だと思っております。
 したがいまして、特に、中小企業に対しては、この場でも何回もお話ししておりますけれども、厳しい現状のところに対して、資金面、技術面、人的面、ネットワーク面でのいろいろなスピード感のある柔軟な対策をとっていきたいというふうに思っておりますし、また、地域としても、例えば政府系金融機関とか民間金融機関とか、あるいはまた自治体とか、そういうものがばらばらにするのではなくて、地域の知恵とかパワーを結集した形で、いろいろな相談窓口をとって、総力で、その地域活性化のために頑張っていきたいということで、今御指摘のような地方、あるいはまた一番ダメージを受けている、その地方を特に支えている中小企業に対して、いろいろな対策を現在とっているところでございます。

○金子国務大臣 地域再生の担当で、各地域からいろいろなアイデアを募集しておるのでありますけれども、このわずか一カ月間の間で全国から七百カ所案件が出てまいりました。先生のお地元の福島県、知事がいいんですかね、物すごい案件が、県から市から町まで出てまいりまして、今それを、私たちはどうやったら実現できるかという前提で進めておるんです。
 ただ、幾つか、一つ二つだけ例を申し上げたいのは、四日市なんですけれども、先ほど来、民間の自助努力だけでできたというお話もちょっとあったんですけれども、四日市のコンビナートというのは、高度成長を、少品種大量生産のコンビナートとして我が国を支えてきました。規制があって、災害防止法というのががんじがらめにあったものですから、建て直したくても建てられない。今の時代は多品種少量のコンビナートを要求された。工夫しました。規制を改革いたしまして、新しい安全策を導入してもらいまして、そういう工場が今度できるようになりました。現実に、この規制緩和だけで七百億円の設備投資がもう既にことしから起こってまいります。
 九州の響灘というところは、あそこは二十四時間、三百六十四日、通関を可能にしたんです。正月一日だけ休み。そうしましたら、水深が十五メーターあるものですから、今まで北米の大型コンテナ船が全部韓国に行っていたんです。今度は九州に入ってきます。津軽海峡を越えて、そして日本海を渡って帰ってきまして、そして九州、下関に入ってから、ここをハブとして、今度は中国、韓国にディストリビュートを行うという、いわばこういうハブ空港ができる可能性が出てきました。それによって、この地域でいわばロジスティック業務という運送業務が今出始めていまして、少し時間はかかります、七年間かかりますけれども、雇用が五千人ふえるという事業計画が今広まっております。
 そういうたぐいの話というのがあちらこちらに、まだ鹿島にもほかにもある、福島にも多分そういうものが出てきているんだろうと期待をしております。

○玄葉委員 再生プログラムというのは金のない取り組みですよね、一言で言って。よくわからないのは、四日市コンビナートでもそうなんですけれども、それは、たまたまそこはある意味じゃ特区的に、集中的にやろうということで取り組みをした、それでうまくいきました、こういう話なんですけれども、もともと、これから議論しようとしている三位一体改革との関係というのは一体どういうことなんだろうか。
 つまり、四日市コンビナートでも何でもそうなんですけれども、もともとそういう権限とか規制とかというものを地方に与えていたらば、四日市コンビナートだけではなくて、それぞれの地域にそういうものが既に生まれていたかもしれない。どういうふうに考えたらいいんですか、三位一体改革との関係は。

○金子国務大臣 地域再生の場合には、私たち考えておりますのは、できるだけ従来の予算措置というのを講じずに、一般的に、今の地域限定である特区ではなくて全国版として、そういう規制あるいはアウトソーシングというものを、具体的な地方から提案があった、しかも地方再生にふさわしいというものについては、それを全国版で対応していきたいと思っているんです。
 それから、あえて申し上げますけれども、当然でありますけれども、金目ということについて言えば、これは、これから市町村合併が始まる。そうしますと、学校が統合する、廃校になる、何か活用の方法はないか。従来ですと、そういうものをほかの用途に使おうとしますと、目的外使用ということで、出した予算を返還しろというようなのも出てきましたけれども、それは、そうじゃないだろう、それぞれの地域で使ってもらおう。かつ、自治省にも協力いただきまして、それを他用途に使う場合には、もう一遍リニューアル債というのも考えてもらおう。それから、それを中小企業が使うような場合には、今度は産業省にも考えてもらって、「がんばれ!中小企業」ファンドという、まあこれはちょっとまだ名前を考えていただいていますけれども、そういうような金融措置というのもあわせてこういう地域再生というのでは考えていこうというのが基本的な考え方であります。

○玄葉委員 ですから、三位一体改革との関連はどうなるのかということを聞いているわけであります。
 つまり、ある意味ではお上の取り組みなんですよね、一言で言いますと。申請があれば出せ、希望があれば出せと。最初からそれぞれの地域を信じて任せてあげればいいわけですよ。三位一体改革が仮に進んでしまえば、今の再生事業というのは何だと。私、別に反対はしません、はっきり申し上げて。ただ、一体何なんだと、この位置づけは。一方で三位一体改革が進んで、一方でこの再生事業が特区的に進んで、一体どういうことなのかなと。どうですか。

○麻生国務大臣 基本的には、今の時代というのは、明治この方、多分廃藩置県までさかのぼるんだと思いますが、明治四年の廃藩置県この方、中央集権でやってきた日本という国において、多分、地域主権というものに大きく流れが変わりつつある、地方分権というより地域主権というようなものに変わりつつあるんだというのが今の流れ、これがはっきりしてきたのがこの数年なんだと私自身はそう思っております。
 したがいまして、今までの三千二百あります、正確に言えば三千百七十市町村ありますが、この三千百七十市町村の中でも、この今の時代にあって、おじいさんが町長をしておられたので御記憶かと思いますが、町を経営するわけですよね。これから多分そうなるんですよ。自治体を経営するという感覚が多分要るんです。その時代に合わせたようなルールづくりになりますと権限は移譲される、その方が、今言われるように自分でやれるからハッピーになるはずだ。そのためには自由でなきゃいかぬ、自由にやるためにはある程度銭も要る、そのためには税源は移譲だ、それも、いいかげんな話じゃなくて基幹税で渡せと。大体、基本的にそういうことになっているという流れは間違いなくあります。
 傍ら、こちら側に今までどおりやってきたところがありますので、これは、大いにやれやれと言う人が大体二割ぐらいかしらある、ちょっと待ってくれ、何もしてくれるな、今までのままがええぞと言う人もやはり二割ぐらいこっちにいらっしゃいまして、真ん中の六割ぐらいの首長さんがちょっと待てと言って、今かなり頭の中が、ここはいいけれどもこっちは悪いとか、実にいろいろ。これは経営者と同じで、これは自分でやるんですよ、そうしなきゃできないんだからと言うと、そんなこと言われたって、わしはそんなことをやるつもりで町長なんかになった覚えはないとえらくはっきり言われる町長さんも私のところには何人かお見えになりましたから、それはだめです、これからは違うんですよと。
 だから、首長さんをやられた方は、皆、能力のある方は、これはもっとやってくれ、ああ言ってくれと、これは実にいろいろ。本当にいろいろ、同じ県内でも、同じ郡内でも、全然ばらばらなことを言ってこられる方がいらっしゃいますので、今御疑問の点はよくわかるところでありますので、私どもとしては、その点に関しては、これは個別に対応する以外に手がないのです。こっちがやっても、要らない、それは要らないからこっちくれと言われるような方というのは、実は、実にいろいろいらっしゃいますので、この数カ月間、その対応、まことに同じ県内、郡内でもこれだけ違うものかというのが正直なところですので、細かく対応していきたいと思っております。

○玄葉委員 わかりました。結局、再生プログラムというのは……(発言する者あり)いや、わかりましたというのは、分権改革の一部にすぎないということですよね、はっきり言いまして。つまり、我々のもともとの分権改革が実現しちゃえばそういう事業は全部包含しちゃう、包み込んじゃう、こういう話だということがよくわかりました。
 我々は、競争力の再生強化と同時に持続可能な生活圏を両立させる、そのために例えば住宅というものにも注目をしています。私は今回の予算を見て、やっと住宅ローン減税を継続する、やっとですね、私はその感覚が正直わからない。私だったら住宅は最優先ですね。衣食住あって、特に住宅ほど日本がまさに不足している、質の高い住宅が不足している、半数の人たちが不満を持っている、仕事を一番つくるのも住宅ですよ。私は、民主党としては住宅ローンの利子を控除する制度をつくろうと言っていますが、思い切って住宅にかかる消費税を非課税にするぐらいの措置をとった方がいいとすら思っているぐらいです。
 さらに言えば、国産材を使う、そういう住宅について優遇をしていく。そうすれば、緑の雇用というのが本格的に回っていく。我々は、政府も緊急雇用対策でやっていますけれども、根本的に緑の雇用、緑のダムというものをやろうとしています。ですから、民主党の予算案というのをつくりましたけれども、二千五百億円、年間で予算をとろうではないか、さらに地産地消だって数値目標をつけた取り組みをしようと。
 恐らくこれから同僚の議員が十二日にたくさん質問されると思いますけれども、年金も、実はこれは持続可能な生活圏をつくる上では極めて重要ですね。つまり、地域に行けば行くほど少子高齢化が進みます。ということは、地域に入る所得の中での年金収入の割合が非常に高くなります。しかも、今は厚生年金だけが議論されていますけれども、四割保険料未納の国民年金も含めて、抜本的に対策を練る、安定策をとるということで、かなり地域の資金が回りやすくなる、そういうことがあるだろうというふうに思います。
 ちなみに、我々は、国民年金も含めて、共済、厚生年金、一本化をして所得比例年金にしようと。一階建ては無料です、二階建ての部分は有料です。所得に応じて、保険料に応じて給付を受けられるようにします。もしそういう制度ができたら、消費税にも我々は言及していますけれども、それでも地域内の資金循環というのはしていきますよ。ですから、持続可能な生活圏をつくるということも含めて我々は考えている。
 これから議論しますけれども、制度設計も、国と地方、がらりと変えますから。アメリカの一つの強さは、やはりそれぞれ州ごとに産業政策を競っていることだと思いますよ。日本は、残念ながらそうはなっていません。
 あるいは、地域金融アセスメント法というのを我々提案していますけれども、債務者区分を上げた金融機関、これを公開しよう、あるいは個人保証を撤廃しよう、そういうことの総合戦略で我々は持続可能な生活圏をつくっていく、こういうことを、これは質問じゃありません、申し上げておきたいというふうに思います。
 それで、三位一体改革に入りたいと思いますけれども、まず、総理は、以前にも聞きましたけれども、どのような基本的な考え方で、国から地方、国から地方ということを叫んでいるのか、もう一度聞かせていただきたい。何が一番大事だと思っているのか。

○小泉内閣総理大臣 この三位一体という言葉は別に地方に対する言葉ではないんですが、たまたま三点の改革が重要だということで三位一体という言葉を使っているわけであります。
 というのは、まず補助金の問題、地方交付税交付金の問題、そして税財源の問題。これ、一つ一つやっていくとなかなか難しいということで、なかなか進まない。難しい、全部難しい問題です、補助金の問題も、交付税の問題も、税源の問題も。難しいんだから、それでは一緒にやろうということが、いわゆる、三者一体でもいいんですけれども、三位一体という言葉の方がより人口に膾炙されているから三位一体という言葉を使っているわけであります。
 そういう中で、明治以来、先ほど麻生大臣がお話しされましたけれども、中央集権的な考え方があった、これからは地域の自主性、裁量権を拡大していこうという中で、一つの補助金をとってみても、中央省庁が、こういう事業をやると補助金を出しますということよりも、ある程度地方に裁量権を与えて、一々中央官庁がこの事業に補助金をつけるかどうかというよりも、一つの補助金を地方が使えるんだったらば、どのような事業をするかというのは地方の裁量権に任せた方がいいんじゃないか、その部分をふやしていこう、これが補助金の問題。
 それから、交付税交付金の問題につきましては、今、三千二百から若干減ってまいりましたけれども、市町村合併等によりまして。交付金をもらっていない団体というのは極めて少数。
 財政調整という機能が交付税にある。となると、財政の豊かな地域とそうでない地域、これはやはり調整しないと、必要な施策も財政が乏しいところはできない。例えば、東京と北海道、あるいは東京と各地方。東京は、財政的にも地方に比べれば豊かだということで、これは財源、税源にもかかわってきますが、企業の法人事業税をかけるに際しても、東京には企業が集中している、地方においては、税源、財源、税を実質ゆだねられても税源がないんだ、だから税のかけようがない、東京とは全く違うという意見、当然であります。
 そういうことから、むしろ、地方の中には、現状がいいという考えの地方もたくさんあります。おれたちは税源もない、財源もないんだから、今までのとおり必要な財源はよこしてくれという地域もあるんです。だから、そういう税財源と交付税と補助金というのは全部絡んできます。
 そういうことから、これは、一つ一つ難しい問題だったんだから一緒に考えよう、三者一体ということから三位一体の改革が出てきたわけでありまして、今の金子大臣の地域再生特区の問題も、中央が押しつけちゃいかぬ、地方のまず申請を待ちなさい、地方が意欲を出したところ、そういうことなんです。中央があれこれやるよりいいでしょう。まず地方が手を挙げてくれ、そういう中で考えていくというのがその趣旨でございます。

○玄葉委員 平成十六年度予算における三位一体の姿がこのパネルでございます。
 今、総理がおっしゃった補助金、これが約一兆円、国から地方に対して補助金を削減しますと。そして、今おっしゃった税源の移譲、これは、平成十六年度予算では四千五百億円。そして、地方交付税、実質というのは赤字地方債分も入れているのでこういうことになりますけれども、約二・八兆円。
 私は、この地域デフレといいますか、先ほどおっしゃった、悪くなっている地域経済をますます悪くしてしまっている予算になっているというふうに思っていますが、ちなみに、この平成十六年度予算をつくるに当たって、総理は、三位一体、予算に反映させなさい、どういうふうに指示をされたんですか。

○小泉内閣総理大臣 私は、基本方針を示すのが趣旨ですから、個別は担当大臣に任せる。まず一兆円、補助金削減目指しなさい、税源移譲もしなさい、交付税の改革もしなさい、具体的な問題はよく各担当省庁、地方、よく聞いてしなさい、この方針にのっとってしなさい、これが総理としての方針であります。

○麻生国務大臣 今の示されました資料の前年度分がもう一枚欠けているところだと思いますね。そこのところを知っておられる上で聞いておられるんだと思いますんで、さすが町長経験者の息子さんは違うな、いいな。話が早くて大変助かりますんで、ちょっとその図を示されていた方がよろしいんで、人様の党を使ってまことに恐縮ですけれども。
 一兆円のうち、実にこの税源移譲という形で、今言われましたように、正確には二千百九十八億円というものと、そして税源のいわゆる移譲予定の分が二千三百九億円という形をそうやって渡した。だから、簡単に言えば、あと五千五百億足らぬじゃないか、基本的にはそういうことなんだと思うんです。
 私どもは、全くおっしゃるとおり、そのとおりになっておるんですが、その分は、基本的には、私どもから言わせていただければ、今までやりますそこの公共事業とか、それからいわゆる奨励的補助金というものは切らせていただきますと。そういったものは、基本的には、どうしても絶対必要な、例えば義務教育とか保育園とかそういったような、保育所とかいうものはきっちりやらせていただきますと。ただし、その他の部分につきましては、その各自治体においていろいろ努力をしていただきたいと。
 そういった意味で、その努力をしてもなおかつどうしてもできないという分につきましては、いろいろな形で私どもとしてはお話し合いに応じさせていただかないとこれはできないところがありますんで、そういった意味では、地域再生事業債の活用とか、その他これまで預貯金、蓄えられたお金を使うとか、財政健全化の弾力化等々でさせていただいて、いろいろ対応をさせていただきますということを申し上げておるということだと思っております。

○玄葉委員 今の税源移譲は、確かに我々だったら、我々はこんな一兆円という少ない額じゃありませんけれども、補助金を削減する、それに大体相当する分を税源移譲するということで、我々ありますけれども、それはおいておいて、まず税源移譲のところを聞きたいんですけれども、例えば公立保育所の運営費というものを税源移譲した。先ほど総理大臣は、地方の自主性を高める、裁量を高めるんだ、それが国から地方と言っているわけだ、こういうふうにおっしゃっているわけですけれども、この税源移譲で、例えば公立保育所の運営費を税源移譲したことで、地方の裁量は高まったんですか。

○麻生国務大臣 高まっております。基本的には公設、民営、自由にできます。高まっております。

○玄葉委員 今、公立保育所には、例えば施設の設置基準だとかあるいは職員の配置基準だとか、そういうものがいろいろと定められているんですね。例えば、匍匐室の面積だとか乳児室の面積だとか、あるいは保育士の数だとか、税源移譲してもこれは変わっていないんですよ。変わったんですか、何か。

○坂口国務大臣 最低基準を決めておりますが、その最低基準は変えておりません。しかし、知事会も市長会も、ともに厚生労働省の関係の予算の中で税源移譲してもらってもいいと言われるところは少ないんですけれども、ここの部分だけは、比較的皆さん方が、ここはしてもらってもいい、こういうふうに言われたわけでありますので、皆さんもやはりこの部分については何らかのそれぞれのお考えがあるんだろうというふうに思っております。基準は、最低基準を示したそのままでございます。

○玄葉委員 結局、権限は手放していないんですよ。
 じゃ、総理。これから例えば三年間で四兆円おやりになる、我々はもう十九兆円やっちゃうという話なんですけれども、ただ、そのときに一番大事なことは、国の関与あるいは法令による義務づけというのは必ずあるんです。それをセットでやらないと、ほとんど意味がなくなりますからね。総理、わかりますね。

○小泉内閣総理大臣 わかっているから三位一体改革をやっているんであって、地方において、逆に地方の人から陳情を受けて規制を強める動きもなきにしもあらずなんです。これはよく気をつけないといけませんよ。最低基準を緩和すると、やはり地方にも地方の規制を設けたいという組織があります。市会議員なり市長さんなり、陳情してきます。そうすると、やはりこの規制は大事かなといって、せっかく規制緩和の条件が整っているにもかかわらず、規制を緩和しないで、現状がいいという動きになってこないように、地方においてもやはりこの規制改革の意義、地方に権限移譲した意義というものを十分考えてもらいたい。この点はやはりお互い、与野党を通じて、地方にもっと自主性を出していくような努力が必要だと思っております。

○玄葉委員 権限をなかなか手放せないから、例えば補助金の問題だって、総理は三年で四兆円というぐらいの数字にしたんだと思うんですよね。これは、今もう一回見ていただきたいんですけれども、率直に申し上げて、補助金で一番痛むのは中央省庁ですね。一つの権限がなくなる。あるいはそれに絡んでいる国会議員でしょう。一兆円だけ。税源移譲、一番困るのは財務省でしょう。税源移譲は一兆円にも相当しない四千五百億円だ。一方、地方交付税、これは実質でいくと二・八兆円だ。
 今、各自治体はなかなか予算編成ができない、こういう声をそれぞれの市町村、特に市町村とかで出しています。はっきり申し上げて、地方だけが泣いている。これが今の実態じゃないですか。

○谷垣国務大臣 今、玄葉委員のお話、先ほどから財務省のための改革だとおっしゃるから、どこかで言わせていただかなきゃいけないと思っていたんですが、なかなか番が回ってまいりませんで。
 しかし、委員のお話を伺っておりますと、三位一体をやってまいりますときに、そこに、スリム化をしなければこの改革はできないという視点が私は脱落しているんじゃないかと思うんですよ。
 それで、例えば、そこに公共事業がございますね。公共事業の場合は、要するに、それは財源廃止しても建設国債でやっているわけですから、なかなか地方にお譲りする、建設国債廃止して、では、どう財源をするかといって、出てこないわけです。どうしてもスリム化の視点というものが必要でございます。
 ですから、補助金改革でも、では補助金をそのままなくして全部地方に譲れば済むというわけじゃありません。補助金が廃止されて、必要なものだけやはり地方にやっていただく。だから、それは税源移譲の検討対象になるわけですけれども、もともと必要でないもの、あるいは廃止すべきもの、これは地方に税源をお譲りする必要もない。そういうことでやらせていただいたのがあの結果でございます。

○玄葉委員 二つ申し上げたいんですけれども、一つは、こうして交付税を今削っていく、確かに、三位一体の中の地方交付税、いずれ交付税に対する依存比率を低くしていこう、これは当然だと思います。だけれども、その前に一つ申し上げなきゃいけないのは、どうしてこれだけ地方交付税の借金が生まれてきたかということを皆さんはよく認識をしなきゃいけないというふうに私は思うんですね。それぞれ補正予算等々で財政支出をして、率直に言って、使わなきゃ自治体はしかられる、このぐらいのところまであったといろいろな自治体の関係者から聞きますよね。まず、このことの反省をしていただきたい、それが一つ。
 もう一つは、スリム化、確かにそうでしょう。だけれども、問題は、補助金と税源移譲と地方交付税とそれぞれ改革をしていかなきゃいけないんですけれども、まさに、その改革にはプロセスとか優先順位とか方法とかがあって、それが一番大事なんだと思いますよ。このまま進めていくと、恐らく結果として三位一体改革はとんざをするだろうと私は思っています。
 今の平成十六年度予算で見る限り、一言で言えば、地方交付税交付金の改革だけと言ってもいいかもしれませんし、少なくとも先行型なんですね。先行型ですよ。私は全く逆です。あるいは民主党は全く逆です。
 いずれ交付税の依存比率を下げるためにも、若干交付税はバッファーにしていい。そのかわり、補助金、中央省庁が持っている権限、これを一気になくしていこう。もちろん、一つ一つ見ますよ。一つ一つ見ますけれども、一気になくしていこう。税源移譲も五・五兆円まずやろう。そして、十九兆円の補助金のうち五・五兆、もし税源移譲するとしたら、その残りは一括交付金という形でそれぞれの自治体に使い道自由なお金にして差し上げよう。これは革命的なことだと思いますけれども、やってやれないことはない。全然、プロセス、方法、優先順位が違うということです。わかりますか。

○麻生国務大臣 総額約二十兆というのが補助金、総額だと思うんですが、その総額のうち、約半分が福祉、それを切っちゃうというわけですよね。(玄葉委員「切っちゃうわけじゃない」と呼ぶ)いや、それは税源で渡すわけだから、切っちゃうというわけだ。そういったような話が今いきなりできるかと言われると、一挙に全部やっちゃうというのはちょっと無理があるんじゃないか、むちゃなんじゃないかなというのが率直な実感なんです。
 それで、私どもは、その四兆というのを出したおかげで、一斉に、十兆だ、八兆だ、十一兆だ、いろいろな説が、知事会だ、市長会だ、いろいろ出てきた、結構なことだと思うんです。民主党も、その案を出されたんで、そういった案が出てくるようになった。これは民営化を言ったからいろいろ出てくるようになった。先ほどの総理の答弁と似たような話で恐縮ですが、基本的には四兆というものの額を示したことによっていろいろな案が出ることになったということだと思っております。
 それから、財務大臣の答えられたスリム化の点も、これはぜひ、いろいろ、この案でやれると言われる市町村も実はいらっしゃるので、そういった意味では、まず最初にきちんとした対応でやっていかないかぬところですが、先ほどの答弁にもありましたように、よく御存じのように、もう税源を移譲されたって、税源をかける法人もなきゃ住民もおらぬというところに徴税権を与えられても全然話になりませんので、そういったところには当然のこととして交付税という調整する能力、バッファーという言葉を使われましたが、そういったものが必要というのははっきりしておると思いますので、今後とも、全部日本じゅうが均一化されるはずもありませんし、その地域地域の特徴が出てきて当然。特色ある地域が出てくるわけですから、その意味におきましては、地域において、人は少ないけれども、そこは水を出し、そこは空気をつくっているというところも必要でしょう。その意味では、その他の調整という意味では、交付金の機能というのは今後とも維持されるべきものだと思っております。

○玄葉委員 一つは、社会保障を、我々、税源移譲したり一括交付金にしたときに切ってしまうということでは決してございません。それは地方に任せようというのが我々の考え方だということと、もう一つは、今麻生大臣の答弁で違うのは、政府が四兆円というものを出したから知事会も出したし民主党も出しただろう、こう言うんですが、民主党は政府が四兆円と出す前からその額を、十九兆円ということも含めて言っている、主張しているということをまず知っていただきたいというふうに思います。
 まず大事なことは、国の権限と税財源を思い切って手放せるかということだと思います。だけれども、それは一兆円からいくんだというのが総理の方針だ。しかし、よくわからないのは、総理は、午前中にも議論に出ていましたけれども、一方で道州制ということを言っているわけですね。そんなにすぐ一気に地方に渡せないじゃないですかと言いながら、一方で道州制の検討をする。どういう道州制を検討しているんですか。

○小泉内閣総理大臣 私が申し上げた点を素直に受け取っていただければいいんですが、改革と言うと、改革の名に値しないということではなくて、今の道州制も、よく申し上げているんですが、今、私は道州制を実現するということは難しいと言っているんです。
 だから、将来たとえ道州制が実現された暁においても、北海道はそのままであろうと。北海道という地域を考えれば、北海道の地域によその県からその権限を北海道と一緒にやろうということの議論は起きてこないだろう。逆に、北海道の一部を削減してよその地方につけて、その地方の自主性なり権限なりを移管しようという動きは出ないだろう。今、道州制が実現できなくても、北海道は道州制特区みたいな考え方で北海道の自主性を尊重できる対応があるのではないかということを言っているんですよ。
 だから、全国の道州制の議論とは全く別です。北海道が独自に、今でも北海道の中に県はないんだから。四国よりも広いんです、市町村。だから、道州制の議論というのは各地域、東北ブロックを全部州にしようとか、九州を全部、県じゃなくて州にしようとか、そういう議論が出ておりますので、北海道というのは、たとえ道州制が議論できても知事を全部一緒にする必要もない、今、知事一人だから。
 市町村合併なりあるいは中央の出先の機関を整理統合するようなことによって、北海道は将来道州制ができたとしても、独自の地域主権を生かしたような、あるいは裁量権を生かしたような対応ができるのではないかということで、今の地方分権、三位一体の改革と、道州制特区のモデルとして北海道が自主的な提案をしてくれということと全く矛盾しておりません。

○玄葉委員 正直、全く中身がないなというふうに思いますね。(小泉内閣総理大臣「何で中身が」と呼ぶ)いや、全く中身がないなというふうに思いますね。だから、どういう発想で道州制というのを考えているのか、その発想と中身を聞いている。

○小泉内閣総理大臣 私は、道州制の中身は、具体的には議論する段階で私がとやかく言うべき問題じゃない、よく議論してください、将来の問題だと。しかし、北海道は、道州制が実現した暁にも北海道の地域は地域としての主権を確保するだろうということを言っているんです。だから、道州制の中身、どの地域を州にするかというのは、私は、今、中身を言えと言っても、言う立場にはありません。また、その中身まで具体的に検討している段階でもありません。
 私の中身というのは、今、地域、三位一体改革であります。それと道州制の特区モデル、北海道独自の自主性を発揮してくれというのと全く矛盾しません。中身がないどころか、これほど中身が濃いのはないじゃないですか。

○玄葉委員 よくわかりませんね。
 まず、これは総理、一緒に考えていただきたいんですけれども、ニュージーランドという国がありますけれども、ニュージーランドの人口は三百九十万なんですね。同じように、大体日本と一人当たりの豊かさが同じ国々、例えばアイルランドなんかもそうかもしれない、ノルウェーもフィンランドもそうかもしれない、それぞれ三百万人台とか四百万人台とか五百万人台ですね。北海道、五百八十万ですよ。
 道州制を例えば考えているというときに、もう国家としてそのぐらいの人口があれば経営できるんだ、そのぐらいの発想で私は道州制を検討しているならわかるんですよ。そのぐらいの発想を持ってほしいということを言っているんですよ。民主党はそういう発想を持っているということですよ。

○小泉内閣総理大臣 そこが全く違うんです。あなたと違うんです。
 国がとやかく言うべき問題じゃない。北海道が知恵を出してください、北海道がどのように自主権、裁量権を考えているのか、その北海道の提案を受け入れて国は考えましょうと言っているんです。私が、国が北海道にこうやれと押しつける考えはありません。

○玄葉委員 いやいや、そういう能力があるかどうかということを聞いているんです。あるということを前提に道州制というものを考えているんだったら、私はわかると言っているんです。ただ提案を聞いてそれをといったら、まさにお上依存になっちゃうんですよ、お上主義になっちゃうんですよ。そのことを聞いているんですよ。

○小泉内閣総理大臣 何回も言っているでしょう。北海道が自主権、裁量権を拡大するのはいいことだ、だから国は押しつけませんと。北海道が、まずこういうことをやりたい、このように自主権を拡大したいというのは、北海道自身が考えた方がいいと言っているんです。その北海道自身の提案をよく検討して、それを北海道の自主権が拡大するように政府としても支援していきたいというんです。
 他の地域の道州制というのはこれからのことであります。これは、将来まだずっと先のことであります。

○玄葉委員 民主党も、あるいは知事会なんかも、今議論がありましたように、例えば、都道府県レベルの補助金のほとんどを、もういいよ、要りませんと。そのかわり、九兆円要りませんから、一兆円は我々で節減しますから八兆円の税源移譲をしてくれ、こういうことですね。ほとんど民主党と発想は同じなんですけれども、我々の発想の根本にあるのは、そのぐらいの人口があれば国家経営だってできるんだ、このぐらいの発想がなければ実はこういう案は出せないですね。もし、この考え方が違うということであれば、私はあくまで自民党政権では分権改革はできないなというふうに言わざるを得ないと思います。
 塩川前大臣が、ある新聞のインタビューで、まさになぜできないかの理由を端的に語っています。一つは、もともと考え方が違うということもあるかもしれませんし、もう一つは、こういうことを言っています。担当大臣はみんな役人に丸められてふにゃふにゃになっている、やっぱり中央省庁が権限にしがみついている、国会議員は皆中央省庁の族議員化されていてよう言わない、数字合わせはこっぱ役人のやることです、こういうことを言っています。
 役人が悪いわけじゃないですよね、はっきり言いまして。政治がリーダーシップをとれないから悪いんだというふうに思います。ですから、我々とはやはりこの分権の問題では決定的に体質も含めて考え方も大分違うなということが、きょうわかりました。
 もう一つ、独立行政法人に問題を移りたいというふうに思いますけれども、国から地方ということで今聞いてきましたが、官から民、その一つの象徴が郵政であったり道路であったり、この独立行政法人だろうというふうに思います。今、自治体側からは、自治体にばかり、先ほどの谷垣大臣の話じゃありませんが、スリム化あるいはリストラを求めて、国はリストラしていないじゃないか、スリム化していないじゃないか。私たちは、国会議員だって減らしていいということを言っています。議員年金だって廃止プロジェクトチームというのができて今議論をしています。そういうところから始まって……(発言する者あり)しかし、格好いいことを言うなというやじもありますけれども、実際身を削る努力をしないとなかなかこれはついてきてくれないと思います。
 ちなみに、特殊法人改革というのが行われていますけれども、特殊法人改革の中で廃止された法人というのはあるんでしょうか。

○金子国務大臣 十五法人で廃止をされております。

○玄葉委員 何をどういう形で廃止したんですか。

○金子国務大臣 ちょっと待ってくださいね。(発言する者あり)いやいや、個別のお話が、要請がありましたので、間違えないように。
 石油公団が、これは廃止ですけれども、六法人が他の特殊法人から移行しました独立法人に移管をされております。もう一つだけ申し上げれば、宇宙開発事業団等四法人が既存の独立法人等に統合されています。ですから、十五法人、その他例がありますけれども、廃止されていますけれども、そのものが廃止されているわけではありません。

○玄葉委員 まさに、これは今大臣がおっしゃったように全部残っているんですね。廃止と言ったけれども、例えば簡保の福祉事業団は日本郵政公社に、今おっしゃった宇宙開発事業団は独立行政法人宇宙航空研究開発機構に、あるいは日本労働研究機構は独立法人労働政策研究・研修機構に、ほとんど実態的に、実質廃止されたものがないというのが今の現状であります。
 同時に、予算も特殊法人向けに財政支出を減らしたと言っていますけれども、独法向け、独立行政法人向けの財政支出がその分ふえているんですね。結局相殺されているだけで、減額はほとんどないというのが今の現状ではないでしょうか。
 さらに、時間がありませんので、一つだけ総理にお聞きをしたいと思いますけれども、例えば、平成十五年十月までに独立行政法人化した九十二法人の中で、例えば理事長さん九十二人の中で七十四名が何と天下りであります。あるいは常勤の役員の皆さん、この方々も三百九十七人の中で三百二十八人、八三%が同じように天下りでございます。この実態と現状を総理はどういうふうにお考えになられますか。

○小泉内閣総理大臣 今後とも特殊法人改革は必要でありまして、これからも、天下りの問題あるいは特殊法人の役員の問題、廃止できるものは廃止する、この方針にのっとって進めていきたいと思います。
 しかし、最も特殊法人の中で、出口の方で大きなものが道路公団の民営化問題、入り口の方では郵政民営化の問題、その最も大きな問題に手をつけていくというのに最大限の努力を傾注していきたいと思います。

○玄葉委員 道路公団も郵政もいいんですけれども、ぜひこの独立行政法人、この間も申し上げましたけれども、フロアも予算も変わらない、名前が変わっただけだ、天下り職員がふえた、この天下りがこれだけいることについてどう思いますかということを聞いているんです。

○金子国務大臣 昨年の十二月には、既にこの天下り人事については、閣僚をベースとした閣議人事検討会議というのを開いておりますので、これについて非常に厳しい対応が行われる。
 もう一つだけ申し上げさせてください。
 役員数はふえたとおっしゃっていますけれども、四割削減の方向を確実としております。それから、役員についている退職金でありますけれども、これも十四年三月からずっと続けておりましたけれども、三分の一の水準に削減をしております。

○玄葉委員 退職金の問題は、一種の、お茶を濁すというか目くらましという状況だと思います。
 総理は、一年以上前にこういうことを言っていますよ。天下りにしてもそうです、この問題をどうやって直すかということが今回の特殊法人改革の主眼の一つだ、こういうふうにおっしゃっている。総理になられて、最近ですよ、特殊法人が新たに独立行政法人になったのは。それなのに、総理の指示が全く行き届いていない。郵政も道路もいいけれども、この独立行政法人の問題についてしっかり対応してくださいよ。

○小泉内閣総理大臣 しっかりと対応していきます。

○玄葉委員 対応しなかったじゃないですかということを言っているんです。

○小泉内閣総理大臣 今言った退職金の問題においても役員の削減にしても、対応しているんです。これをしっかり対応していきたいと思っております。

○玄葉委員 ですから、この一年で総理は答弁されているんですよ、絶対にこれは対処すると言って。対処するとしているんです。だけれども、総理が在任中ですよ、今回特殊法人が独法化したのは。そのときに、まさに理事長を変えようと思えば変えられたんですよ。天下りをなくそうと思えばなくせたんですよ。総理は、事務次官がそのまま理事長になれるとは思わないでくれとたしか指示されたという新聞記事を見ましたよ。全然守られていないじゃないですか。そのことを言っているんです、総理。

○小泉内閣総理大臣 これはきちんとやっていこうと。既定路線で自動的にいくものではない、人材をよく見ながら対応していこうと。天下りを自動的に認めない、これはもう着実にこれからもやっていきたいと思います。

○玄葉委員 結局、今回官から民ということで、どうも郵政と道路もなかなか、進んでいる進んでいない、議論があると思いますけれども、独法に関しては、確実に独法天国になってしまったということは間違いない。
 それともう一つは、国から地方へというのも、国から地方へというスローガンそのものは私も賛成なんですね。だけれども、今回の平成十六年度予算案に関しては、どうも単なる地方切り捨てになってしまっている、財務省のための改革にすぎなくなってしまっている、このことは申し上げておかなくてはいけないというふうに思います。

○谷垣国務大臣 先ほどからいろいろ言いたいことをおっしゃって、なかなか発言の機会がありませんので。
 特殊法人向け財政支出がちっとも減っていない、独法にやったのからすればほとんど減っていないじゃないかとおっしゃいますが、平成十三年度予算から平成十五年度予算に向けましては、平成十三年度は五・三兆だったんです。それが平成十五年度では、独法向けのを含めまして一・四兆減っているんですね。それから、平成十五から十六は、独法向けを含めて四百十三億減っているんです。ですから、そういう流れを御理解いただきたいと思っております。
 それから、もう一つ付言させていただければ、先ほどから……(発言する者あり)わかりました。民主党はたくさん、独法もカットするということをおっしゃっておられまして、大変御努力されて予算案もまとめられました。しかし、例えば独法でも、科学技術関係の独法から三割を削るといったときに、民主党が推し進めておられる政策の方向と合致するかどうか、その辺の御説明もまた聞かせていただきたいと思っております。

○玄葉委員 基本的に独法でなくてもできると思いますし、我々は天下りについてもきちっと禁止法案というのを出していますし、先ほど申し上げた国から地方へというのも、我々なら地域発展のための国から地方への分権改革にしてみせるということを最後に申し上げて、木下委員に譲りたいと思います。
 どうもありがとうございました。

 

第159回通常国会 衆議院 予算委員会 第20号 2004年3月5日

○玄葉委員 民主党の玄葉光一郎です。
 締めくくりということで、六つのテーマをこちらでも用意させていただきました。できるだけ端的に聞いていきたいというふうに思います。
 まず最初に、今、長妻委員からも話が出ました年金資金のむだ遣い。
 これは、総理がいらっしゃらない間も、この一カ月間の衆議院の予算委員会の審議で、本当に数多く出されました。池田委員や海江田委員や生方委員中心に、何度も何度も繰り返し出されました。繰り返す必要はないと思いますけれども、給付以外で五・六兆円支出をしている。グリーンピア、サンピア、あるいは金融市場でも大変な損失が出た。
 こういったことに対しての再発防止策というのは、一番大きいのはやはり責任の所在を明確にすることだと思うんですね。総理、この責任の所在をどのように明らかにしていきますか。

○小泉内閣総理大臣 今までの議論で、改めなきゃならない点が多々あったと思います。これは率直に反省しなきゃいけないと思っております。
 責任、やはり政治だと思いますね。これをみんな要求にこたえて認めてきたんです。こういう点を改めて、より適切な、貴重なお金の使い方、これはやはり政治がやっていかなきゃいかぬと思っております。

○玄葉委員 おっしゃるように、官僚だけではない、むしろ一番責任があるのは政治だと思います。
 ただ、先ほども天下りの話も出ましたけれども、確かに驚くばかりのところもあって、たしか、二十八法人で関連法人があって、二百三十一人が天下り役員なんですね。報酬のことは今まで出ましたからもう繰り返しませんけれども、これらも含めて責任の所在を明らかにすることが大事だ。いつの、だれに、何の、どんな責任があったのかということについて明らかにしなければならないというのが我々の立場であります。
 それで、厚生労働大臣は、第三者委員会をつくって責任の所在を明らかにしたいということでございますけれども、それでよろしいですね。

○坂口国務大臣 これは、前回からもお話が出ておりますように、スタートのところは、国会の衆参における本会議決議。そしてまた、昭和四十七年におきまして、衆議院、参議院の委員会におきます附帯決議。この附帯決議では、もっと拡大をすべきであるというふうに書かれているわけでございますから、そうしたことでスタートをした。
 しかし、時代が変わってきた。ここでこれをどう展開するかというのが今後の大きな課題でございますし、そして、その変化の時期が少しおくれたのかどうかといったようなことについては、よく検証をしていかなければならないというふうに思っております。

○玄葉委員 いいんですよ。そういう国会決議なんかも含めて、そしてまた変化の時期をとらまえることができなかったということも含めて、すべてきちっと検証したらいいと思うんです。それは、本来、第三者による委員会、できれば独立した委員会で検証するのが望ましいわけですけれども、厚生労働大臣、質問に答えていただきたいんですが、第三者委員会をつくって、そこで検討するということをおっしゃっているわけですけれども、それでいいんですね。

○坂口国務大臣 検証する限りは、身内でやっておってはいけませんから、一般の皆さん方にも御参加をいただいてやるということだと思います。

○玄葉委員 では、第三者委員会をつくるということでおっしゃっていただいたと思いますが、いつまでにこれをやっていただけますか。

○坂口国務大臣 スタートは早くしなきゃいけませんけれども、そこでどういう問題が出てきて、どういうふうな議論になっていくか、これはわからないわけでありますから、いつまでこれはかかるとか、そういうことは私の口からは申せませんけれども、スタートは早くさせる、スタートはこの国会が始まっております間に行うということであります。

○玄葉委員 今国会中に始めるということでありますけれども、これは……(発言する者あり)外野席からは、今国会中から始めるということは、今の答弁いいということですけれども、ただ、年金のいわば負担増をお願いする法案を出しているわけですよね。これは率直に言って、国民の皆さんは、こういったことに対してけじめがつかないと、残念ながら、聞く耳を持ってもらえないというのが私は今の国民の受けとめ方ではないかと思うんですね。やる気なら一カ月、二カ月で私は回答を出せると思います、やる気ならね。厚生労働大臣、いつまでにやりますか、もう一回答えてください。

○坂口国務大臣 出口のところまでは簡単に私が申し上げるわけにはいきません。お願いをしましたその皆さん方によってそこは議論が続けられていくわけでありますから、しっかりそこは議論をしていただきたい。
 国民の皆さん方に対しては、これから一体どうするかということをお示しを申し上げる。これは過去の問題ですから、過去の問題を検証をやっていただく。そして、今後の問題としてはどうする、今まで引きずってまいりました問題をどうするということを明確にして、法律とともに御理解をいただくということだと私は思っております。

○玄葉委員 ですから、今厚生労働大臣がおっしゃったように、明確にして御議論いただくということなんですけれども、明確にしないまま議論が続く可能性が非常に強いんだと思うんですね。ですから、年金の議論の前提としてこの問題にはっきりけじめをつける、つけた後議論を本来だったら開始する、これが本当だと思います。
 余りこればかりやっていると締めくくり総括になりませんから、今のことを指摘させていただいて、次のテーマに移りますけれども、三位一体の問題も、これは与野党を問わず厳しい指摘があったのではないかというふうに思います。
 この問題、もう一度、お配りをしたレジュメといいますか、グラフを見ていただきたいんですが、そもそも、我々の考え方は一度説明いたしましたからもう繰り返しませんけれども、同じ政府案の土俵に乗って議論したとしても明らかにおかしいなと思われるのは、平成十六年度予算において、補助金が一兆円、正確には一兆三百億円削減されたんですけれども、税源移譲は四千五百億円にとどまっている、極めて単純な話であります。
 かつて竹中大臣が、経済財政諮問会議で、この三位一体の問題について基本方針をおつくりになられた、そのときにはこういうふうにおっしゃっていた。義務的経費については十割移譲します、その他は八割ですと。大体、この言葉を信じて、多くの自治体の関係者の皆様もそのようにされるんだろうというふうに思ったわけでありますけれども、これを見るとそうなっていない。そういうはずじゃなかったんですか、十割、八割。

○竹中国務大臣 補助金等の削減、改革と、それに伴う税源移譲のルールについては委員御指摘のとおりでございます。これは基本方針にも書き込んでいることでございます。
 ただし、その際に、当然のことながら、必要な所要額をしっかりと見直す、見直した上で、必要なものについて、義務的なものは十割、それと、その他のものについては八割、そのような認識でこれは一致しているというふうに思います。
 これはよく財務大臣が、その中に、財政のスリム化というのも、地方、国を通して巨額の赤字を抱える中で、そのスリム化そのものも重要な要素なんだと。したがって、必要なものを精査した上で、その上で、今、玄葉委員御指摘のように、一〇〇%、八〇%というその原則を決めているわけでございます。
    〔委員長退席、杉浦委員長代理着席〕

○玄葉委員 スリム化だということを、たしか財務大臣も予算委員会の初日のときにおっしゃっているわけでありますけれども、要は、スリム化だというのは、引き続き地方が主体となって実施する必要がないものだからこれはカットしたんです、こういう話でよろしいですか。

○谷垣国務大臣 はい。もう地方でやっていただく必要がないものについては、税源もお渡しする必要はないわけでありますから、それは省いてございます。
 それで、その必要なものについて、先ほど委員がおっしゃったように、義務的経費には十割、そうでないものは八割というようなことで整理をさせていただいたということであります。

○玄葉委員 まさに今おっしゃったように、必要がないから税源移譲の対象としていない、こういう事業は必要ないから税源移譲の対象にしないんだということなんですけれども、でも、実際はどうなんでしょうかね。
 さっきお示しをした五千五百億円、税源移譲の対象となっていない部分ですね。これのほとんどは、事業そのものがなくなったわけじゃないんですね。ここにありますけれども、それぞれの科目は全然なくなっていない。まあ全然とは言いません、ほとんどなくなっていないんです。要は、事業そのものは全部残っていて、その額が減っただけなんですよ。要は、量が減っただけなんですよ、あるいは件数が減っただけなんですよ。今の話と矛盾しませんか。

○谷垣国務大臣 十五年度の補助金改革で、地方に事業が残るとされたものに係る財源補てん措置のうち、国負担とされたものは二千五十一億、それから、十六年度の補助金改革でそのように判断されたものは二千百九十八億、そこで合計額を四千二百四十九億としたところでありまして、今おっしゃったような矛盾は、私はないと思います。

○玄葉委員 これは、量が必要ない、こういう議論がありますけれども、本来だったらこういうことなんだと思うんですよ。結局、これらの五千五百億円については、基本的には、事業が必要ないという判断を基本的にされているわけだから、これそのものを、事業そのものをなくしちゃうんですよ。なくしちゃって、その八割を税源移譲の対象にするというのが私は本来のあり方だと思うし、多くの関係者の皆さんは、最初、基本方針が出たときに、そう思ったのではないかと思いますよ。違いますか。ほとんどの人はそう思ったと思いますよ。事業そのものはなくなっていないんですからね。これは総理も見ていただいていますけれども、全部額が減っただけなんです。
 これは、今何が起きているかといいますと、額が減っただけだから、結局、逆にその補助金が希少価値になっちゃって、希少価値ですよ。額が減って、その額を求めて、ますます政治家を頼り、東京に通ってくるんです。ますますそういう状況が起きているんです。国から地方へと思ったら、地方から国へになっちゃっている。これが今の実態なんですよ。総理、いかがですか。

○谷垣国務大臣 今お挙げになった中で、公共事業関係の国庫補助負担金、これについては、国ももちろんですけれども、厳しい財政事情のもとですから、地方でもスリム化が求められているわけですね。それで、事務事業の廃止とか縮減によるスリム化を図って、それが基本であって、税源移譲の対象とすることは私は適当ではないと思っているんです。
 仮に、地方がみずからの判断で、国が廃止した事業を実施する場合があるとしますね。それでも、公共事業は建設公債発行対象でございますから、この厳しい財政事情のもとでは、補助金廃止によって地方にお譲りするものというのはないんです。からっからなんです。
 さらに、最近の地方の投資単独事業の実際の執行額というのは、地財計画で既に財源の手当てがなされている計画額の規模を大きく下回っているのが実情ですから、地方が自主的な判断で単独事業として執行する余地が残されているわけでありまして、こういう観点からも、税源移譲によって地方に新たにここの財源をお渡しする必要はないというふうに考えております。

○玄葉委員 いや、それなら、本当にこの科目はおかしな話になっちゃうんですよね。全部とは言いません、これは言い過ぎですが、ほとんど科目は残っているんですから、額を減らしただけなんですから。やはり本来のあり方をもう一度、この政府案の土俵に乗った上でもお考えをいただきたいなというふうに私は思うんですよ。
 先般、年金の支給の話で、モデル世帯というのがほとんどなくて、でも給付は五〇%だ五〇%だという話を、どうも誇大広告じゃないかという話がこの委員会の中でも議論がありましたけれども、義務的経費は十割移譲します、その他は八割ですというのも、このままいくと誇大広告ですよね。
 普通考えたら、一兆円補助金を削減したら、義務的経費は十割、その他は、ここでいえば五千五百億円の八割は移譲する、それで自治体の首長さんたちは腕を振るえる、それが本来なんじゃないですか。今回、腕を振るえる余地は全くと言っていいほどありませんからね。ありますか、財務大臣。

○谷垣国務大臣 それはやや玄葉さんとも思えない誇張なおっしゃり方であって、これは私が御答弁するか、あるいは文部科学大臣に答弁していただいた方がいいのかもしれませんが、例えば教育だって、地方の自由度、保育もあると思うんですね。そういう意味で……(玄葉委員「少しはそう」と呼ぶ)少しは、少しはとおっしゃるけれども、いや、やはり全体のその自由度も高めて、責任も負っていただくという姿になっていると思いますよ。

○玄葉委員 もう余り繰り返しませんけれども、義務教育については若干そうなったかもしれません。だけれども、公立保育所の問題なんというのは、ほとんど縛ったままというか、最低基準は変わらないということは、この間、坂口厚生労働大臣が答弁したとおり。今回、そこの部分、その範囲内だけで自由度が増しただけなんですよ。それ以外では何もないんですよ。
 これでは、地方の裁量権が拡大します、その結果潜在力が発揮されますと、もともと小泉総理大臣がおっしゃっていたような目的に合致しない、到達しないまましぼんじゃう、こういうことになりますよということを警告として申し上げて、同時に、もっと申し上げれば、提案として、同じ土俵で議論したとしても、さっき申し上げたような公共事業の縮減あるいは廃止の部分は、それはそっくり事業そのものをなくして、そして八割を移譲する、そういうことだったら裁量権の拡大はできますね、こういう話です。麻生大臣、そう思うでしょう。

    〔杉浦委員長代理退席、委員長着席〕

○麻生国務大臣 なかなか安易にさようでございますと言えるような感じではないんですが、基本的に、玄葉先生の言っておられるところで、今のその図面で五千五百億のところですけれども、御存じのように、図をもう少し正確にかいていただくと、まちづくり交付金の分の一千三百億とか、それから奨励的補助金のところの約一千億等々がありますので、そういったところも計算して引いていただくと、純粋な削減額は三千二百億ということになるんだと思うんですね。
 そこのところは、現場の町長さん等々は、調べていられるところはよくおわかりいただけているところなんで、ただ、今言われましたように、財務大臣からも答弁があったように、基本的には、これは玄葉さん、ある程度地方のはスリム化していただく、二年でやるところは三年でやってもらうとか、いろいろな手口は必要と思っております。
 そういった意味で、私どもは、いろいろやっていただきますけれども、それでも、なおかつ、どうしても仕掛かり品等があってできないというところにつきましては、いわゆる再建債等々いろいろなものでそこのところは詰めていかないかぬところだと思っていますので、八千億やら何やらのものを拡充するなり弾力利用するなり、いろいろな形で個別のものについては対応させていただきたいと思っています。
 ただ、これは地方によってすごく違いますので、なかなか一概にはこれがというのが言えないところが難しいところだというのが正直な実感です。

○玄葉委員 余り深追いしませんけれども、このままでいくと、総理、国から地方へというのが地方から国へということになっていますと。この実態をよく理解をしていただいた上で、次の質問に移りたいと思います。
 ただ、今回、三年間で四兆円補助金を削減する、一定の税源移譲をする、こういう方針を立てたわけですけれども、当然、それによって事務は減るわけですから、その分の国家公務員は減る、こういうふうに考えていいですね。

○麻生国務大臣 通告を受けておりませんのであれですけれども、基本的には国家公務員というものは、これだから減るということではなくて、その他を含めて全部減っていく傾向にありますので、今回、警察官一万人増員した上で純減というのが実態でありますので、基本的には、ICT化される、いろいろな面から考えましても、国家公務員の絶対総数は純減します。

○玄葉委員 いやいや、これも深追いしませんけれども、独立行政法人になって国家公務員が減るとか、いろいろあると思います、IT化によって。でも、今回の、規制だとか、許認可だとか、補助金の額だとか減るわけですから、基本的には、その分は国家公務員の減少に拍車をかけるものとしてやはりカウントして、これから計画をつくっていかないといけないんじゃないんですかということを改めて申し上げておきたいと思います。
 次に移りますけれども、今回の予算審議の中では一度も出なかったんですが、いわゆる有事関連法案について一言だけ触れておきたいというふうに思います。
 我が党としては、この有事関連法案、特に国民保護法制、これについてはその制定を急ぐべきだということを申し上げてきているわけですから、基本的にそういう立場で議論をしたいというふうに思いますけれども、その他の関連法案、特に、我々、基本法を制定すべきだということを申し上げて、先般の武力攻撃事態対処法を成立させるときに自民党と民主党で合意をしているわけでありますので、その基本法を前提に関連法案についてしっかりと議論をしたいというふうに思っております。
 そこで、一つ二つだけ確認をしておきたいんですけれども、国民保護法制というのが間もなく閣議決定される予定だということでございますが、この中に新たな概念が出てまいります。緊急対処事態、大規模テロが対象だということだろうというふうに思いますけれども、この緊急対処事態というのは具体的にどのような事態を言うのか、例示を挙げてほしいと思いますし、あるいは、この認定の要件、基準、こういったものを挙げてください。

○井上国務大臣 国民保護法案要綱の中の緊急対処事態についての定義をお尋ねになったと思うんでありますが、国民保護法案の要綱上、緊急対処事態は、武力攻撃の手段に準ずる手段を用いて多数の人を殺傷する行為が発生した事態または当該行為が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態で、国家として緊急に対処することによりまして国民の生命、身体、財産を保護することが必要なものといたしまして、内閣総理大臣が認定をし、閣議決定されたものでございます。
 こうした認定を行うことによりまして、今お話しの大規模テロなんかが発生した場合におきましても、武力攻撃事態におきまして、国民保護のためのいろいろな措置をとります。避難でありますとか救援という、こういった措置がこの緊急対処事態におきましてもとられる、こういうことであります。
 具体的な事例は何かということでありますけれども、この定義にありますように、かなり広範な事態を想定して規定をしないといけませんので、なかなか難しいのでありますけれども、一、二の例を挙げてみますと、原子力発電施設の破壊でありますとか、炭疽菌等の生物剤を用いた生物テロ、あるいは航空機によります多数の死傷者を伴う自爆テロなどの事態を想定いたしております。

○玄葉委員 だれがどのように認定するのかということと、オウム真理教の事件なんかは入るんですか。

○井上国務大臣 事態の認定は内閣総理大臣が行いますので、具体的には内閣官房が中心になりまし
て総合的に検討いたしまして認定をする、こういうことですね。
 要件といたしましては、今申し上げましたように、武力攻撃事態に準じた手段で多数の人が殺傷される、そういう事態が発生した、あるいは発生されるということと、もう一つは、国民の生命とか身体、財産を保護することが必要である、こういう認定をされる、そういう状況ですね。
 それから、オウム真理教なんかの場合、これは、いつの時点で認定するかというのは非常に難しい問題があると思うのでありますけれども、仮にああいうようなのが一時にばっと出てまいりますと、一時に、あるときにああいう事態が起こりますと、それはそういうようなことになろうかと思うのでありますけれども、順次ああいう事態がはっきりしてくるものですから、これはなかなか、認定の時点というのをあらかじめこうだという特定をすることは非常に難しいと思うんですよね。
 割かし具体的な事例といたしましては、地下鉄サリン事件なんかがありましたけれども、ああいう事態が起こりますと、やはり多数の人が殺傷される危険性というのは多分にありますし、いろいろな措置をしないといけないということでありますので、ああいう事態はまさに緊急対処事態になるんだろう、こんなふうに思います。

○玄葉委員 この概念、まだ漠然としていますから、いずれ法案審議の中ではっきりさせなきゃいけないというふうに思っています。
 それと、概要をずっと拝見して、よくわからないなと思ったのは、米軍との関係が一つありまして、余り細目に入るつもりはありませんけれども、武力攻撃事態になったときに、自衛隊は、武力攻撃事態の適用除外の法律は、今というか、まさにつくったし、これからもつくるんですけれども、国内法の規制を受けるわけですよね。だけれども、米軍は受けないわけですよね。ただし、日米地位協定があって、尊重義務があるからそれでオーケーだ、こういうことで済まされるのか、それとも、ここの調整をするために何らかの法整備を検討するのか。今回、関連法案でてっきり検討するんだろうと私は思っていたんですけれども、全然入っていないようにお見受けするんですが、いかがですか。

○井上国務大臣 米軍の行動につきましては、まだ詳細発表しておりませんので、全体の御理解がいっていないと思うのでありますけれども、委員御承知のとおり、日米安保条約で米軍の駐留を認めておりまして、米軍に関することがこの日米のいわゆる地位協定の中に規定されているわけですね。
 この地位協定の十六条におきましては、御承知のことだと思いますが、日本国において、日本国の法令を尊重し、及びこの協定の精神に反する活動を慎むことは、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにこれらの家族の義務である、こういうぐあいに規定しているわけですね。この規定自身は、一般国際法上の考え方に合致するものでございます。
 一般国際法上、駐留を認められた外国軍隊には、特別の取り決めがない限り接受国の法令は適用されないが、接受国の法令を尊重しなくてはならないことは、当該軍隊を派遣している国の一般国際法上の義務でありまして、このことを受けているわけでございます。
 この尊重義務は、武力攻撃事態の中でも当然のこととして適用されるのでありますが、その中で、米軍が応急の道路工事を行う場合の関係機関への通知でありますとか、米軍の行為に係る損失補償を政府が実施するようにしておりまして、しかるべき必要な点につきましては適切な措置を講ずることにいたしているわけであります。特別の規定をこの法律の中に規定をしたい、そんなふうに考えております。

○玄葉委員 もう一つだけ、簡単に、端的に答えていただければいいんですが、ACSAの改正がありますね。武力攻撃事態のときに物品役務を日米で融通し合う、これは武器弾薬も含めてだ、これはこれで私はいいと思います。問題は、今回、有事ACSAを整備するんだろうというふうに思っていたら、それだけではなくて、平時のACSAも入っているんですね、改正には。
 つまり、例えばアフガンとかイラクとかああいったところで平時の、政府は平時という理解だと思いますけれども、そういうときに日米で物品を融通し合えるというのも入っていて、私はてっきり有事ACSAの法案なんだろうと思っていたんですけれども、どうもそういうものが入っていることに違和感を感じますね。
 平時のACSAの中身自体は、私は、それはそれでなるほどと思う中身なんですよ。ただし、そういったイラクとかアフガンのああいう話というのは、これは特措法じゃなくて恒久法ができたときにあわせて整備するというのがどう考えても本来の姿なんですよね。これはもう指摘だけにしておきたいなというふうに思います。
 それでは、今回の補正予算あるいは本予算の審議でもたびたび議論のあったイラクの問題に移らせていただきたいと思いますけれども、一つは自衛隊の安全確保策についてでありますが、自衛隊の安全確保策を考える上で最重要なのは、私は情報の収集だというふうに思っています。
 政府としては、この情報の収集あるいは伝達、活用、もちろんその前に分析がありますけれども、そういったものをサマワにおいてあるいはイラクにおいてどのようにされているのか、御説明いただきたいと思います。

○石破国務大臣 御指摘のとおり、情報の収集、分析、評価が肝要であります。
 これは、現地で治安の維持に当たっておりますオランダ軍、あるいは今整備されつつありますイラクの警察、あるいは民間のそういうような防衛組織、あるいは部族長等々、そういう方々と緊密な意見の交換を行っております。あるいは、関係各国からいろいろな情報を入手いたしております。
 あるいは委員もごらんいただいたかもしれませんが、昨日、サマワの番匠幸一郎一佐と私との間で、テレビ電話でお話をいたしました。現地から入ってくるいろいろな情報をリアルタイムで画像そして音声で私どもの方に伝えることができ、それを分析、評価ができるというような体制も今回整備充実を図っておるところであります。
 委員御指摘のとおり、情報の収集、分析、評価、これが最も肝要であると思いますので、今後ともさらに努力をしてまいりたいと存じます。

○玄葉委員 サマワで治安を担当しているオランダ軍、このオランダ軍とイギリス軍との間で、二、三カ月前でしょうか、イギリスからオランダ軍が治安にかかわる情報をいただけなかった、機密情報だといって隠されてしまった。これが大分オランダでも話題になって、議論になったということでありますけれども、日本の場合は、そういったオランダ軍との関係、あるいは米軍、イギリス軍との関係、大丈夫ですか。

○石破国務大臣 オランダとイギリスとの関係について私言及する立場にはございませんが、先般、イギリスあるいはオランダを訪問いたしまして、情報の交換については本当に万全を期す、現地の治安の状況についての情報は適時適切に日本側に提供するということを大臣同士で確約いたしておるところでございます。
 現在に至りますまで、情報の提供等々で私どもが不都合、ふぐあいを感じたということはございません。今後もそのようなことがないように努力をしてまいります。

○玄葉委員 もう繰り返し申し上げる必要はないと思いますけれども、情報収集が一番大事だ。
 ただ、今回、委員会審議の冒頭で大分議論になりましたけれども、サマワ市に評議会があるかないかということについて政府の中で混乱をする、こういう事態が現実にあるわけですね。これは自衛隊の生死に直結しますからね。体制は手直しされたんでしょうか。

○石破国務大臣 実際に、今、現地に部隊が入りまして一カ月以上が経過をいたしました。態勢も整いつつございます。
 この委員会の審議の最初の部分でいろいろと御迷惑をおかけいたしました。その反省、教訓も踏まえまして、きちんと自分の目で見て確かめる、そして、一方からの情報だけではなくて複数からの情報を総合して、まさしく評価、分析するという体制をさらに充実させておるところでございます。

○玄葉委員 二度とこういうことが繰り返されないようにしていただきたいというふうに思います。
 それで、さんざんイラク特措法の議論のときに恐らく論点になったと思いますけれども、改めて、イラク特措法のいわば落とし穴を幾つか指摘しておきたいと思います。
 つまり、今の自衛隊の安全とかというのは、万国共通で、それぞれ軍隊を送っているところはそれぞれの軍の安全確保策に一生懸命になるし、それは当然、それぞれの国にとってのリスクなわけですよね。だけれども、我々はイラク特措法で自衛隊を派遣したがために日本独特のリスクというのを有してしまった、これは私はあると思っています。
 一つは、よく議論されるところだと思いますけれども、サマワで、オランダ軍と共同行動といいますか、行動を自衛隊とオランダ軍がしている。それで、自衛隊に危害が加わったときにオランダ軍は自衛隊を守ってあげられる。だけれども、オランダ軍に危害が加わったときに自衛隊は守ってあげられない。これは、こういう事態が起きたときは、私は大きく国益を損なうことになろうかというふうに思います。まず、そのリスク認識を持っておられるかどうかということが一つ。
 もう一つは、公明党の神崎代表が、サマワでオランダ軍がやられたときにそれを守ってあげるというのは、国際法上、正確には何と言いましたか、大丈夫だということをどこかでおっしゃっていますよね。オランダ軍を助けることは可能だというふうにおっしゃっていますが、ここはいかがなんですか。

○石破国務大臣 リスク認識をどう考えているかということでございますが、この点も、オランダに参りましてカンプ大臣とかなり議論をいたしました。その場でカンプ大臣がおっしゃったことが日本経済新聞に同じような内容でインタビューに応じておられますが、そこでオランダの大臣が言っておるのは、こういうことであります。我々は日本の助けを必要としていない、ムサンナ州の治安維持は我々オランダの任務である、日本は政府が決めたことを実施することが大切であって、認められていないことまでやることは期待していない、オランダの議会も世論もこの点を問題にしていない、同じことを議論し、その確認をいたしました。
 すなわち、私どもは治安維持の任務を負っておりません。主に人道支援をやるわけであります。オランダは治安維持の任務を負っております。そのオランダが日本の助けを必要とするような状況が本当に現出をするかといえば、まず、そのような状況は現出するとは考えられない。
 そしてまた、私どもは、この法律十七条に定められておりますような武器使用の権限を有しております。これは、何度か答弁を申し上げたことでありますが、自分の身の安全を守る、いわば、自己保存のための自然的権利というふうに申し上げておりますが、このことにおいて、私は、権限も装備も訓練の状況も全く遜色があると思っておりません。他国に比べて全く遜色があるとは考えておりません。そのように、いいかげんなことで出しておるのではありません。
 委員御指摘のように、オランダがやられた場合に助けられるか助けられないかということは、まさしくこの十七条が予定しておるような武器使用の状況がその場合において出現するかどうか、現出するかどうか、そういう問題でありますが、委員御指摘のように、オランダはそのようなことを期待しておりませんし、そのような状況にもならないということでございます。
 それから、神崎代表がどのようにおっしゃったか、私、直接承っておりませんのであれこれ申し上げる立場にはおりませんが、それは、恐らくこの十七条が予定をしておるような状況になればということだろうと思います。委員も既に御案内のことかと思いますが、これはオランダが自衛権を行使するという形ではございませんので、直接、集団的自衛権の問題と直結する話ではございません。

○玄葉委員 でも、私は、そのリスク認識は、石破長官、甘いと思うんですね。今、そういう現象だということ、あるいは状況だということでありますけれども、もしそうなってしまったときには、オランダの世論も大丈夫です、軍も大丈夫ですといったって、仮にそういう状況が起きたら、国際社会から見れば、どうしたことかということになるのは目に見えているわけです。仮にそういうことが起きたら、これは国益の損失であることは間違いありませんよ。基本的に、やはりそういうことを頭に入れておかないといけないということをまず一つ指摘しておきたいと思います。
 もう一つは、これもさんざん議論したんでしょう。非戦闘地域が戦闘地域に変わってしまった、そういった場合、自衛隊は法律によって一時中断して、あるいは休止をして、場合によっては避難をする、こういうことであるのでしょう。だけれども、他国の軍隊は、休まないかもしれない、中止をしないかもしれない、あるいは、外務省の職員だってその場に残るかもしれない、NGOの職員だって残るかもしれない。だけれども、自衛隊だけは帰る。帰ると言うと大げさかもしれないけれども、一時休止をして、中断をして避難する、こういうことが起こり得るんですね。
 これも、国際社会から、こういうことが起きたら、これはやはり一体日本の自衛隊って何なんだろう、日本という国は何なんだろう、こういうことになるんじゃないですか。

○石破国務大臣 このイラク特措法というもの、あるいは憲法との関係、もう一度英語に訳し直してみまして、これを英語に訳すとどうなるんだという作業をやってみました。それを説明いたしました。
 私どもは、法治国家でございますので、法に反した行動はできません。それが国益に反するのかどうかといえば、それは議論の余地があるかもしれません。しかし、私どもはなぜ非戦闘地域という概念を設けたかということをここでもう一度説明するつもりはございませんが、そういうような場合になれば、委員御指摘のように、一時中断、休止し、実施区域変更の指示を受ける等を待つ、こういうふうになっております。これは、日本国憲法九条の規定をきちんと遵守する、それを二重に担保する意味で設けた規定でございまして、これは、私どもとして変えるわけにはまいりません。
 そういうような状況になったとして他国がどうなるか、それはわかりません。しかし、そういうような状況になっても、委員まさしく御指摘のとおり、すぐ引くというようなわけではございません。状況がどうなるか、法に定めたような要件を満たすようなことがあるとすれば、それは、実施区域を変更して活動を続けるということもあり得るでありましょう。いずれにしても、日本の国益は何であり、それを損なわないようにどうするかということは、またよく議論をさせていただきたいと思っております。
 外務省の職員が撤収するかどうか、そのことは私がお答えすることではございませんが、普通、自衛隊が撤収するような状況ということが仮にも起こるとするならば、それは、外務省も同じような対応をおとりになることがあるのではないかというふうに推測はいたします。

○玄葉委員 もちろん、隊員の安全ということもといいますか、一番大事でありますけれども、今申し上げた二つのリスクは、間違いなく、我々はといいますか、日本政府は抱え続けるわけです。これは、重い重い現実だと思いますね。
 今回、イラクに自衛隊を派遣することを小泉総理は決断されたわけです。今申し上げたリスクも含めて、効果といわば総合勘案をしてお決めになられたということだと思います。
 このイラク派遣の記者会見等々を聞いていますと、小泉総理は、常に繰り返し繰り返しおっしゃっている言葉がある。それは、日本は信頼に足る同盟国でありたい、アメリカにとって信頼に足る同盟国でありたい、このことを繰り返し繰り返しおっしゃっているんですけれども、この信頼に足る同盟国、小泉総理が考える信頼に足る同盟国というのはどういう同盟国のことをいうのか、御説明いただきたいと思います。

○小泉内閣総理大臣 これは、信頼ということは、人間の、個人間の間にあっても、企業にあっても、あるいは国家間におきましても、私は最も大事なことだと思っております。
 アメリカと日本の間におきましての関係におきましても、日本にとって、アメリカは信頼に足る同盟国だと思っております。同時に、日本もアメリカにとって信頼に足る同盟国でなければなりませんし、国際社会にあっても、責任ある一員として、信頼に足る国でなくてはならないと思っております。

○玄葉委員 幾つか別の角度からもお伺いをしたいと思うんですけれども、例えば、総理としては、これを繰り返し繰り返し、自衛隊派遣を決めたときに、あるいは決めた後に、信頼に足る同盟国でありたいんだ、こういうことをおっしゃったわけですけれども、仮に、今回、自衛隊を即イラクに派遣しなかったならば信頼に足る同盟国たり得なかった、このようにお考えになられますか。

○小泉内閣総理大臣 私は、今回、イラクに自衛隊を派遣して、イラクの国づくりのために復興支援活動あるいは人道支援活動、これは国連の要請にこたえて行ったわけであります。
 国連におきましては、すべての加盟国にイラクの復興支援に協力を要請してきております。日本は、国連の一員として、信頼に足る一員でありたい、そして、将来、このことはイラク国民から評価されるであろう、そういう点から派遣したわけでありまして、アナン事務総長が、国会の演説におきましても、イラクが苦しんでいる、イラクが復興に努力している、それに対して日本は率先してこの挑戦に立ち向かってくれたという評価をしております。
 そういう意味において、私は、自衛隊を派遣しないで、復興活動にも参加しない、人道支援にも参加しないということにおいてよりも、はるかに日本の国際社会の中での活動というのは評価されていると思っております。

○玄葉委員 国連か日米安保かという議論もこの予算委員会を通じてあったんですが、私は、国連か日米安保かという議論をする以前に、日米安保同盟のあり方論を少し議論させていただきたいなと実は思って質問をさせていただいているんです。
 改めて、今回、繰り返し繰り返し総理は日米安保同盟をお出しになられて、信頼に足る同盟国たらんとして自衛隊を派遣するということも含めておっしゃっているわけですけれども、私がお聞きしたのは、もし自衛隊を即今回のように派遣しなかったならば、日本はアメリカにとって信頼に足る同盟国たり得なかったと思われますかということをお聞きしたんですけれども、もう一度御答弁いただけますか。

○小泉内閣総理大臣 私は、何が信頼に足る行動かということで考えているわけであります。何をしなかったら信頼に足りない、そういうことではないと思うんですね。

○玄葉委員 我々は、今回、イラクの自衛隊派遣に対して慎重な考え方をとったわけですね。あのときに、査察を強化、継続するべきだというようなことを申し上げた。私自身は、実はイラクの特措法の委員会にも入っていませんし、なかなか立場をといいますか、自分の意見を申し上げる機会がなかったんですけれども、もし我々だったら恐らく慎重な立場をとった。しかし、アメリカがそれでも先制攻撃を行ってしまったとしたら、積極的に支持をするというのが基本的には総理の立場だったと思いますけれども、我々だったら、理解するとかその程度になったんだろう。復興支援活動に、じゃ、参加しなかったのかといったら、必ずしもそうではないと思います。本格的な治安の回復を待って、例えば自衛隊を出すということもあったかもしれないし、あるいは空自だけを何らかの形で出していくということだってあり得ただろう。
 何が言いたいかというと、さっき申し上げた二つのリスクを、イラク特措法をつくって即出されたから、ずっと有し続ける。我々だったら、その二つのリスクは有することはなかっただろうということもあります。あるいは、今、川口さんが外交活動をされておられて、フランスだドイツだ、さまざまな国に働きかけをしていると言うけれども、もし慎重な態度をとっていたら、恐らくより説得力を持って、フランスとかあるいはドイツとか、そういった国々にイラクの復興支援活動への関与を働きかけることができたんじゃないか。こういう考え方も十分成り立つわけだし、我々は、そういうことだったんじゃないだろうか、そういう思いも実はあるから、改めて自分の意見も含めて申し上げたわけでございます。
 総理は、集団的自衛権の議論も、この予算委員会を通じて、たしか大野委員の質問にお答えになられているんですけれども、たしか本予算案の一日目の答弁のときは、改正するのもいいし、解釈を変えるのもいい、こういうことをおっしゃっていたんですが、報道とあと議事録によると、参議院の本会議、二十七日ですか、やっぱり解釈改憲はだめだ、正面から憲法改正するのが筋だ、こういうふうにおっしゃっているんですが、一体どちらなんでしょう。

○小泉内閣総理大臣 私の考え方、答弁は一貫しております。
 今までの積み重ねてきた政府の憲法解釈を尊重したい、しかし、憲法の条文をめぐって国民の間にはいろいろ解釈があり、解釈も変わってきた経緯があるということは承知している。ある時期においては自衛隊も憲法違反であると言う方々も、時代の変遷によって、いや、やはり自衛隊は憲法違反ではないなと変わってきている。自衛隊を海外に派遣する、PKO活動に派遣するということに対しても、これは自衛隊に海外派遣するということは許されないんだから、これは憲法違反であるという考えをとってきた方もいる。しかし、当時はそういう考え方の人たちも、今では、PKO活動なら海外に自衛隊を派遣してもこれは憲法違反ではないなと変わってきている。だから、憲法解釈というのは人によって変わってくる。
 しかし、集団的自衛権に関しましては、今まで政府は、これは解釈はいろいろな国会の議論で積み重ねております。憲法を改正しないで、解釈によって集団自衛権の行使を認めろという議論は多々あります。しかし、私は、それはやるんだったら憲法を改正した方が望ましいということを言っているのは、望ましいと言っているのは一貫しております。そういう点を言っているんです。政府の解釈は一貫しているんです、積み重ねてきた議論は尊重したいと。しかし、今まで憲法違反と言っていた人の中には、違反じゃないと変わってきている事実も厳然として存在しているわけであります。そういったことを言っているわけであります。

○玄葉委員 もう一つだけ、これに関連して指摘をしなきゃいけないなというふうに思っているのは、日米安保というのは私も極めて大事だというふうに思っています、アジア太平洋の公共財だと思っています。
 この日米安保の維持の仕方というのは、総理、もしかしたら、自衛隊を派遣しなかったら信頼に足る同盟国ではないというふうに答えるのかなというふうに思ったから、大分厳し目にやろうかなと思っていたんですが、今回、私、日米安保の議論で少しどうかなと思うのは、若干国民の中に、日本はアメリカに、実際は違ったとしても、黙ってついていっているんじゃないか……(発言する者あり)いや、こういうふうに思われている節があるんですよ、実際。思われている節があるんですよ。
 これは、今回の決定もさることながら、外務省の情報発信力の問題でもあるかもしれません、実際の行動のせいかもしれません。これは、やはり日米安保をいい形でマネジメントするためには改めなきゃいけないというか、直していかなきゃいけないというか、このことは改めて申し上げておきたいというふうに思います。
 もう一つ、若干関連しますけれども、普天間の議論もこの委員会で何回も出たんですね。新聞報道が数多くあって、それは誤報だ誤報だということで答弁があるわけでありますけれども、改めて確認したいんですけれども、一つは、在外米軍の再編というのがまず現実行われようとしている、その中には、まず、在日米軍というのも含まれるのか否か。イエスかノーかで結構です。
 そしてもう一つは、そもそも普天間基地が持つ抑止の機能、これは、川口大臣は、沖縄の在日米軍の問題については、抑止力と沖縄の負担の軽減、この二つで考えていきますということをおっしゃっているわけですけれども、普天間の基地の抑止の機能というものを日本政府そのものがどういうふうに評価しているか。簡潔で結構ですから、お答えください。

○川口国務大臣 まず、最初の方の質問の、イエスかノーかということですけれども、これは、再三再四申し上げているように、なかったということでございます。(玄葉委員「違う違う違う、米軍の再編。在日米軍が入るかどうか」と呼ぶ)ごめんなさい。失礼しました。米軍の再編ということには、当然、在日米軍も含まれるということであると考えます。
 それから、普天間の持つ抑止力の機能ということでございますけれども、簡単に申し上げますと、これは、在日米軍がそもそも全体として抑止力を持っている、これは問題なくお考えでいらっしゃるというふうに思いますので、その説明はスキップをいたしますけれども、その在日米軍の中で海兵隊というのが、これは御案内のように、高い機動力とそれから即応力を持っているということでありまして、在日米軍の中では非常に重要な一翼であるわけでございます。
 普天間飛行場につきましては、第一海兵航空団第三十六海兵航空群所属の航空機、これを中心とします海兵隊の航空機の運用を支援する、そういう重要な役割を果たしているということでございます。
 日本において有している抑止力、これは、在日米軍の持っている抑止力というのは重要であって、その中で、沖縄にある海兵隊、これは機動力、即応力という意味で重要であって、そして、その中で普天間の役割というのが、この航空機の運用、これを支援するという重要な役割を持っているということを申し上げているわけです。

○玄葉委員 極めて重要な役割を担っている、抑止力に普天間基地そのものがなっているんだ、こういう認識でよろしいですか。
 とすれば、例えば仮に代替なしの返還みたいな話があったときには、それは抑止力を減ずることになるので、とても私たちとしては応じられません、こういう話になるんですか。

○川口国務大臣 前提としていらっしゃる、代替なしの返還ということをおっしゃっていらっしゃるわけですけれども、これは、現にそういうことではなくて、平成十一年の閣議決定に従って辺野古の沖に代替の施設をつくるということで、これは地元の公共団体とも御相談をしながら、そのように今動いているということでございます。

○玄葉委員 結局、正面から私は説明すべきだと思うんですけれども、今申し上げたのは、私は、代替なしの返還というのが仮にあったらば抑止力が減ずることになるというふうに基本的に考えるということだと思うんですよね。つまり、普天間の抑止機能を高く評価しているという認識だと思いますから、仮に代替なしの返還ということは抑止力を減ずることになるから、低下させることになるから、日本としては応じられない、こういう立場だというふうに当然理解されるわけですけれども、イエスかノーかだけで答えてください。

○川口国務大臣 現在、この地域における問題を考えましたときに、抑止力が維持をされているということは重要であるということを我々は考えているということでございます。

○玄葉委員 これは水かけ論に終わりますけれども、私、こういう議論というのは正面から、戦略論と戦術論と戦力論と国会でもやるべきだというふうに思っている一人でございまして、ぜひ今後、そういうことも含めて、正面から議論をさせていただきたいなというふうに思っています。
 筒井委員にお譲りをいたします。ありがとうございました。